テクニカル分析方法-マーケットプロファイルとは?
2021/08/31
マーケットプロファイル: Market Profile(MP)
マーケットプロファイルというテクニカル分析手法をご存知ですか?
証券会社のチャートには殆ど採用されていない(というか見たことが無い)ものですが、先物デイトレーダーを中心として、使っている、参考にしているトレーダーもいます。
上記の様に、初心者が目にすることはほとんどありませんので、様々なテクニカル分析を学んだトレーダーが使っている印象が強いです。
マーケットプロファイルは端的に言うと、
到達した価格帯を時間ごとに記録してく価格帯別出来高分析
1981年にピーター・スタルドルマイヤー氏によって考案され、シカゴ商品先物取引所に商標登録されており、グラフ類の著作権はシカゴ商品取引所が保有しています。
先物市場、特に日本では日経225先物ラージ30分足で使われることが多いです。
使い手によっては、週足、月足などでも使われているようです(見たこと無いですが)
具体的にどんなものか、見てみましょう。
2021年8月31日 日中のマーケットプロファイル
このようになります。
初めて見る人は、全くの意味不明な暗号表にしかみえませんね。。
では、解説します。
マーケットプロファイルの作成の仕方
.
取引開始から30分区切りに、A,B,C,D・・・と時間帯を区切り、一般に呼び値で作った価格表に、Aの時間で到達した価格帯に、Aを記録し、Bの時間で到達した価格帯に、Bを記録していきます。
このように記載していくと、1日の動きがなだらかなヒストグラムになることが多く、マーケットプロファイル分析では、「ベルカーブ」と呼ばれます。
トレンドが発生すると、縦長のマーケットプロファイルになったり、午前中は安値圏でもみ合い、後場上昇した場合など、その日によって様々な形状となります。
その形状や次の「モード」等と呼ばれる算出値を元に、その後の相場のレジサポやトレンド等の相場予測を行うことに利用します。
.
マーケットプロファイルの見方
マーケットプロファイルには様々な見方がありますが、今回は代表的な「モード」「バリューエリア」「Tail」について簡単に解説します。
1.モード
出来高の一番厚い部分、つまり一番多くのアルファベットが詰み上がっている価格です。8月31日は「27740」がMODEです。積み上がり数が同一数の価格帯がいくつかある場合、終値に近い方をモードとします。
その日の取引において最も商いの多い価格として意識されます。(売買高の最も多い価格をMODEとする考え方もあります)、翌日以降に抵抗帯、支持帯として意識されます。全ての時間帯で約定したモードをパーフェクトモードと言います。
2.バリューエリア
モードを中心とした出来高の70%が集中する価格帯を示します。(一日の取引レンジの両端のシングルプリントのTPOはノーカウント)有効TPO数の70%以下となる価格帯となります。第一標準偏差の考え方からマーケットは営業日の6~7割の確率で正規分布曲線(ベルカーブ)を描くといわれており、市場参加者のうち約7割が取引したこの価格帯が翌日の参照価格帯として意識されます。画像では黄色部分がバリューエリア。
※TPO:アルファベット1文字 と考えてください。
3.極値、Tail:逆張りポイント
シングルプリントがひとつしか無い、上下両端に出来たシングルプリントの価格帯を極値と呼びます。
また、上下どちらかだけに形成され、2つ以上並んだものをテール(tail)と呼びます。(最後の時間帯を除く)これらはマーケットに避けられた(ひとつの時間帯でしか付けられていない)価格であるため、安値では買い勢力、高値では売り勢力が強かったことを示します。特にAの時間帯で形成した極値は信頼度が高いとされ途中で否定されることなくそのまま 極値 or Tail を残す傾向が強く、引けの形状として残した場合、翌日の上値抵抗帯、下値支持帯として意識されることが多いようです。
マーケットプロファイルは、1日が終わり、それ以降の相場予測の参考として使うこともできますし、同一セッション中に判断する見方、また、数日~のデータを使って、トレンド分析等も行う方法など、実戦的な方法は様々です。
テクニカル分析は実践的に使っているトレーダーの見方、使い方を参考にするのが一番です。ライブトレード225でも、マーケットプロファイルは「戦略表」にも掲載していますし、当ブログやメルマガでも使い方や見方を更新予定ですので、是非参考にしてください。