ファンダメンタルズ&経済の基礎知識(12)今さら聞けないGDP
2023/08/22
今さら聞けないGDP
これまで、主に決算書や投資尺度などといったいわゆる個別銘柄への投資を検討する際に必要となるファンダメンタルズについて述べてきました。ここからは、株価指数、FX、投資信託などで重視される国や地域レベルのファンダメンタルズについて解説していきたいと思います。
まず今回取り上げるのは、GDPです。
GDPとはGroth Domestic Productの略で、ご存じの通り、日本語では国内総生産と呼ばれています。その国(あるいは地域)全体で1年や四半期などの一定期間にどの程度のモノやサービスなどの付加価値が産み出されたかを示す値です。
GDPは、通例、1年および四半期ごとに発表されています。その際、前年比とか前期比という形で伸び率が示されます。当然ながら、その伸び率が高ければ高いほど、その国の経済成長率が高いと評価されます。GDP成長率は、当然、為替や株式の相場に相応の影響を与えます。
では、GDPの内訳はどうなっているのでしょうか。
GDPは、通例、大きく分けて4つの要素から成り立っています。具体的に示すと、個人消費、(企業の)設備投資、政府支出、そして純輸出です。それを単純な式に表すと以下のようになります。
GDP=個人消費+設備投資+政府支出+純輸出
CはConsumption(消費) IはInvestment(投資), GはGovernment(政府), NXはNet Export(純輸出)であることから、次のように簡略化した数式で表現されることもあります。
Y=C+I+G+NX
※Yは求める値。この場合はGDPを意味します。
個人消費とは、言うまでもなく私達国民がモノやサービスを対価を払って消費する金額であり、設備投資とは、企業が工場を建てたり生産設備を導入したりする際に支払う金額です。また政府支出とは、公共事業を含めて国が使う金額です。そして最後の純輸出とは、総輸出の額から総輸入の額を差し引いた額で、貿易の状況次第ではマイナスになることもありえます。