最新トレンド＆トピックス（39）三菱自動車の株価は、中国からの撤退発表後、なぜ急騰したのか？

三菱自動車の株価は、中国からの撤退を表明した後、急騰しました。具体的には、2023年9月28日の終値は669.9円で、前日比20.6円（3.1%）の上昇となり、2019年１月以来、およそ４年８ヶ月ぶりの高値となりました。

 

その理由としては、主に次の２点を指摘することができるでしょう。

 

理由①　採算改善への期待

中国市場は、世界最大の自動車市場であり、三菱自動車にとっても重要な市場でした。しかし、近年は中国政府のEVシフトや、現地の中国企業の業績の拡大に押されて、三菱自動車の中国における販売は低迷を続けていました。そのため、撤退により、投資家の間で同社がこれまでの赤字体質から脱却し、採算改善を図ることができるのではないかとの期待が高まり、それが株価の上昇につながったとみられます。

 

理由②　損切り判断への投資家の評価

中国は、ご承知の通り、地政学的リスクの高い国です。一説によれば、かねてより噂されていた台湾侵攻もここ数年の内に開始される可能性が高いと言われています。そのため、中国での事業展開は、投資家にとって大きなリスクとみなされていました。三菱自動車の中国からの撤退表明は、投資家から中国リスクを回避する勇気ある損切りの英断として評価され、株価上昇につながったと考えられます。