ファンダメンタルズ&経済の基礎知識(36)春闘と日本株の関係とは?

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ファンダメンタルズ&経済の基礎知識(36)春闘と日本株の関係とは?

2023/09/29

春闘と日本株の関係とは?

経団連の十倉雅和会長は、2023年9月22日、仙台市で開かれた東北地方経済懇談会で、2024年の春闘(春季労使交渉)で「4%を超える賃上げを実現したい」との意気込みを語りました。これは岸田政権が標榜する「構造的な賃上げ」に呼応する姿勢を示したものと受け止められています。

 

ではこの春闘による賃上げは、日本株にどのような影響を与えるのでしょうか。

 

賃上げが行われると、企業の利益を圧迫するので株価にはマイナスの影響を与えるとの見方もありますが、実際にはその逆の傾向が見られることが多いようです。

 

その理由としては、次の4つが考えられます。

 

理由① 消費が拡大する

賃金が上昇すると、労働者の可処分所得が増え、消費が拡大します。消費の拡大は、企業の売上や利益の増加につながり、株価を押し上げる要因となります。

 

理由② 企業業績が改善する

賃金が上昇すると、企業は従業員のモチベーションや生産性の向上を期待することができます。また、賃上げによるコスト増を吸収するために、企業は生産性の向上や新たな事業展開を図る可能性があります。これらの取り組みが奏功すれば、企業業績が改善し、株価を押し上げる要因となりえます。

 

理由③ 企業の設備投資を増大させ、GDPを押し上げる

企業業績の改善は、企業による設備投資の増大に繋がりやすく、そうなると、その分、日本のGDP(国内総生産)を押し上げることになるので、日本株への評価を高めます。

 

理由④ 国民の投資余力が増大する

賃上げにより、国民の可処分所得が増え余剰資金が増えると、消費の拡大とともに投資余力も増大します。国も来年1月より新NISAなどの新たな投資スキームを用意しており、日本の国民の間で、大なり小なり、貯蓄から消費への動きが強まることが予想されます。そうなれば、当然、日本の株価にもプラスの影響が期待できます。

 

ただし、賃金が上昇しても、内外の経済情勢、戦争、パンデミック、インフレ等の影響次第では、必ずしも企業業績の改善につながるとは限りません。春闘の賃上げ率を株価の判断材料として利用する際には、それ以外の様々な状況や情報を勘案することが大切です。

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