日経225ミニ先物はどれくらいの資金から?資金管理を徹底しよう

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日経225ミニ先物はどれくらいの資金から?資金管理を徹底しよう

2021/06/04

1.日経225ミニ先物を取引するための資金

日経225ミニ先物を取引するには資金が必要です。
しかし先物取引の初心者にとっては、どれくらいの資金があれば十分に日経225ミニ先物を売買できるのかわからないのではないでしょうか。
この記事では、個人投資家にも日経225ミニ先物が選ばれる理由や、投資資金について解説します。

 1-1. 個人投資家に選ばれる理由とは 

日経225ミニ先物は個人投資家にも人気の商品です。
投資初心者でも取引できるほど有名で分かりやすい商品なのですが、なぜ日経225ミニ先物がそこまで人気があるのか。
まずはその理由をお伝えしたいと思います。

▼銘柄選びをしなくても良い
日経225先物は東証1部に上場されている銘柄の中から日本経済新聞社が独自の基準で算出した225銘柄を組み込んだ指数なので、投資家が自ら銘柄を選ぶ必要がありません。
日経225ミニ先物は日経225先物(ラージ)を10分の1の資金で投資できるようにした商品なので、日経225ミニ先物に投資をするのは日経225選定銘柄に投資しているのと同じということです。
 
銘柄選びをしなくてもいいということは個別銘柄を調べる時間も必要ありません。
日経225ミニ先物を選択することで、より効率的な投資活動をすることができます。
東証1部の銘柄が高くて買えない投資家でも、日経225ミニ先物であれば少額の資金で購入することができるので投資先として選ばれやすい傾向にあります。

資金効率が高い取引ができる
日経225先物は「証拠金取引」という取引方法で行われます。
そのため、資金が少額でも先物に投資ができるという特徴があります。

口座に入金した資金を元に、実体のない「先物」とよばれる商品を売買します。
先物取引は証拠金*1(資金)を証券会社に預けることにより、レバレッジを掛けて何倍もの金額を運用することができます。
100万円の資金でも200万円分の先物を売買することができるので、資金が少ない個人投資家にも人気の商品です。
証拠金取引という取引形体のおかげで、投資家は少ない資金でも日経225ミニ先物を取引することができるので、これも人気の理由の一つです。
 
*1 日経225ミニ先物の取引は差金(取引により生じた損益の部分)の授受のみであり、代金の支払い等がないため取引(契約)を担保するために必要なお金。

日経225ミニ先物は売りから入ることができる
通常の株式投資だと購入した銘柄が買値よりも値上がりしないと利益を出すことが出来ません。
しかし、日経225ミニ先物は「売り」からの取引が可能なので相場が下落していても利益を上げることができます。
これも先物取引が証拠金取引という方法を採用しているからこそできるようになりました。
相場が全体的に不安定な日でも、日経225ミニ先物を空売り*2して資金の減少を防ぐことができます。
保有銘柄が下落している状態でも日経225ミニ先物を空売りすれば保有銘柄のリスクヘッジ*3にもなりますし、日経225ミニ先物で大きな利益を得られる可能性もあります。
多様な取引方法があるのも日経225先物ミニが投資家に選ばれる理由の一つで、かつ大きなメリットと言えます。

*2 証券会社から株式を借りて売り建てて、決済期日までに買い戻しを行うことで株式を返却し、売り建て時と買い建て時の差額で利益を狙う取引。
*3 起こりうるリスクを予測して、リスクに対応できる体制を取って備えること。

 

 

 1-2. 日経225ミニ先物で行われるのは資金を担保にした「証拠金取引」 


先ほどの項目でもお伝えしたように先物取引は「証拠金取引」という取引方法で行われます。
この証拠金取引という仕組みがあるおかげで、少ない資金でも日経225ミニ先物を取引することができます。
証拠金*4を証券会社に預けることにより、預けた資金の何倍もの金額分の日経225ミニ先物を購入することができ、効率の良い投資ができると評判です。
東証1部の銘柄が高くて買えない投資家でも日経225ミニ先物であれば少額でも投資ができます。

*4 日経225ミニ先物の取引は差金(取引により生じた損益の部分)の授受のみであり、代金の支払い等がないため取引(契約)を担保するために必要なお金
 

 

 

 

 1-3. 日経225ミニ先物の資金に関係する「取引損益」とは 


先物には実体がないので、購入金額と売却金額の「差額」が投資家の損益となります。
株式投資のように「株」を保有しているわけではないので資産ではありません。
100円の株を1000株売却したら通常であれば100,000円が手元に残ります。
日経225ミニ先物の場合は、26,500円で購入した先物を27,000円で1枚売却すると500円分の差額だけが残ります。

取引の参考例
日経225ミニ先物は少ない資金でシンプルな取引ができます。
取引の具体例を参考にイメージしてみましょう。
 

  1. 2021年3月25日時点で、日経平均株価は26,000円付近で推移
  2. 将来の価格上昇を予想し、先物・オプション口座に証拠金として30万円の資金を投入
  3. 30万円を振替え、日経225ミニを25,400円で1枚買付け
  4. 日経平均は予想通り上昇、買っていた建玉を26,400円で決済
     

この取引を式に表すと以下のようになります。

(26,400円-25,400円)×100(日経225ミニ先物 1枚) = +100,000円

この取引で資金を増やすことができました。
30万円の資金を使い、1週間以内に100,000円の利益を得ることができたのです。
※手数料、税金等は考慮しておりません。

この取引で増減したのは資金を元に存在する実体のない数字です。
先物取引とは「空想上に存在するお金」をやり取りしているというイメージになります。
 

 

 1-4. 日経225ミニ先物で大切なのはリスクコントロール 


証拠金取引で売買される日経225ミニ先物を取引する上で、最も大切にしなければならないのがリスクコントロールです。
FXや株の信用取引の経験がある方は、追証*5についてはすでに理解できていると思います。
先物取引でできるレバレッジと資金管理、そして追証は深い関係性にあるのでその重要性についてお伝えします。

【重要!】
日経225ミニ先物のメリットは129,000円ほど(2022年6月14日現在)の証拠金で何倍ものレバレッジをかけて先物取引ができることです。
現在では129,000円ほどの証拠金があれば日経225ミニ先物を1枚取引することができますが、この証拠金を割るような変動があると追証が発生してしまいます。なので余裕を持って口座に資金を入金しておく必要があります。

実際に例を交えて資金管理について見てみましょう。
ほとんどの証券会社は最低証拠金所要額がSPAN証拠金額*6になっています。
日経平均が20,000円だとして、証拠金が70,000円必要だとします。
その際ぴったり70,000円入金するのではなく、余裕を持って100,000円入金しておきましょう。
そうすることで30,000円分の値下がりにも耐えることができます。


▼レバレッジについての資金管理

例えば現物株式を70,000円で購入し、200円値下がりしたとします。
その場合に現物株式の価値は69800円になり、200円の損失になります。
しかし、日経225ミニ先物の場合はこの200円にレバレッジがかかります。
日経225ミニ先物の価格が200円下がると、200円の100倍である20,000円の損失になってしまいます。逆に日経225ミニ先物の価格が200円値上がりすると、20,000円の利益になります。


▼追証を発生させないように資金管理を徹底
日経225ミニ先物の売買をするとレバレッジがかかるので損益が大きくなることが分かりました。
大きなレバレッジをかけるので、ポジションを取ったタイミングから値下がりし過ぎると追証が発生してしまいます。

先ほどの条件を引き継いで説明します。
 

  • 必要証拠金 : 70,000円
  • 口座入金額 : 100,000円
  • 口座余剰金 : 30,000円
  • 保有数 : 1枚
     

この状態でもし日経225ミニ先物が400円下落してしまうと、所有しているポジションには40,000円の損失が出ていることになります。
そうなると口座余剰金である30,000円では損失分には10,000円分足らないので、損益を相殺(そうさい)することができません。
このタイミングで口座に追証が発生し、投資家は2つの選択肢を迫られます。
 

  1. 不足分を入金する
  2. 不足分を入金しない
     

1.を選択した場合は10000円を入金すればまだ継続して取引することができます。
2.を選択した場合は証券会社のタイミングで強制的に決済がされます。

レバレッジと資金管理の深い関係性をお伝えしました。
リスクをコントロールして資金と向き合いながら投資を行いましょう。



*5 株の信用取引や株価指数先物取引などの保証金を担保として行う取引の場合、価格の変動で一定の維持率(委託保証金維持率)を下回ると発生する「追加保証金」のこと。

*6 シカゴ・マーカンタイル取引所が開発したリスクベースの証拠金計算方法およびシステムにより計算される証拠金のこと、日本証券クリアリング機構SPANリスクパラーメーターとして毎週第一取引日に見直しを行い、公表日の翌週に適用される。
証拠金は同SPANリスクパラメーター元に、各証券会社で独自に設定している係数を掛けて算出される。

 

 1-5. 日経225ミニ先物で資金を失わないための注意点 



日経225ミニ先物は資金管理が非常に重要です。
ここでは投資資金を失わないために気をつけなければならない内容をお伝えします。

損失が大きくなる可能性がある
日経225ミニ先物は証拠金取引なので資金の元本は保証されません。
先物という実体がないものを取引するので、実際に手元に残るのは差金決済による損益のみです。
日経225ミニ先物では手元にある資金の何倍もの取引ができるため、必要な証拠金以上のマイナスが出てしまうと追証が発生してしまう可能性があります。
追証が発生すると強制的に損益が確定されます。
追証を発生させないためにも口座の資金管理を徹底しましょう。

取引を始めるときはロスカットの位置などを事前に決めておき、その損失ラインを越えたらすぐに損切りをするなどのルールに沿った取引を行う必要があります。

▼中・長期投資をするときは外的要因を受けやすい
日経225ミニ先物の取引方法はデイトレードや、中・長期取引など様々です。
デイトレードであればその日中にポジションを決済するので大丈夫なのですが、中・長期投資を行うのであればより厳格な資金管理が必要です。

日経225ミニ先物は海外の相場状況の影響をダイレクトに受けるので昼夜問わず激しい値動きが起こります。
投資家が起きている昼間に価格変動が起こるのであればまだいいのですが、先物はほぼ24時間動いているので日本が夜中の間に海外経済の影響で先物価格が乱高下します。
実際に、日本人が寝ている夜中にアメリカ大統領がSNSで経済に関する内容を投稿しただけでNYダウが変動しました。
そうすると、その変動の影響を受けて日経225ミニ先物も大きく変動します。 

指数取引は外的要因の影響力が大きいので結果的に思わぬ損失が出てしまうことがあります。
中・長期投資をするといつ起こるか分からないような地政学リスクも受け入れなければなりません。

日経225ミニ先物を取引する場合はできるだけポジションを1日以上持ち越さないように心がけましょう。

▼SQ日に強制決済されてしまう
日経225ミニ先物は取引期間が決まっています。
SQ日*7になると強制的にSQ値*8で決済されてしまいますので、思わぬ損失が出てしまう可能性があります。
正確なSQ値はいくらになるのか誰にも予測できません。

SQ日の無理な持ち越しは先物取引で資産を減少させる要因になります。

もちろん買いのポジションを持ったままSQを迎えて、たまたま買い値(売り値)よりも高い(低い)SQ値で決済される場合もありますがとてもリスクが高いので避けたほうが賢明です。


*7 Special Quotationの頭文字をとったもの、毎月第二金曜日がSQ日と言う。3月、6月、9月、12月はメジャーSQと呼び、それ以外の月はマイナーSQと呼ぶ。

*8 特別清算指数とも呼ばれる日経平均株価の始値を基に算出される値。

 

 

 

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