ファンダメンタルズ&経済の基礎知識(3) 財務諸表
2023/08/07
企業に関するファンダメンタルズ
財務諸表(決算書)
以前にも述べたように、ファンダメンタルズには企業に関するものと国に関するものがあります。株式投資では、主に企業に関するファンダメンタルズが重視され、FXなどでは、主に国に関するファンダメンタルズが重視される傾向にあります。
企業に関する重要なァンダメンタルズとして財務諸表があります。財務諸表は会社法では「計算書類」と呼ばれています。また一般的には「決算書」と呼ばれることも多いようです。「決算書」は正式な名称ではありませんが、一般によく使われているので、ここでは財務諸表に加えて、決算書という表現も併せて使いたいと思います。(ちなみに英語では財務諸表も決算書も共に financial statement で同じです)。
株式投資において優良な個別の銘柄を探す際には、決算書をしっかり読み込み、的確に分析することが大切です。決算書はその企業の営業成績や財務状態を示す書類ですので、その銘柄の収益性や将来性をある程度推定することが可能となります。
決算書には、主に次の3つがあります。
(1)貸借対照表(B/S:Balance Sheet)
(2)損益計算書(B/L:Balance Sheet,またはIncome Statement)
(3) キャッシュフロー計算書(C/F,またはC/S:Statement of Cash Flows)
以下、順に説明していきましょう。
(1)貸借対照表
貸借対照表は、会社の決算時点での財務状態を示す書面です。英語ではBalance Sheet(B/S)と呼ぶので、日本でもバランス・シートという表現が用いられることが少なくありません。
バランスとはいわゆる「均衡」「つりあい」という意味ですが、貸借対照表では、「資産」と「負債+資本」とのバランスを意味しています。企業の財政状態を知るためには、どの程度の資産(財産)を持っているかが分からなければなりませんが、それと同時にこの先どの程度の支払義務を負っているのかという点も明らかにしておく必要があります。そうしないと、真の財務状態が分からないからです。いくら莫大な資産(財産)を持っている企業でも、それ以上の負債を抱えているとすれば、到底、健全な財務状態の会社とは言えませんね。
その会社の資産の一部が負債によって得られたものであれば、正確な財政状態を知るためには、それを明示しておくことが大切なのです。ちなみに資産から負債を引いた額を資本と定義づけれています。つまり、資産・負債・資本の3つの要素を左右(借方・貸方)に配置してバランスをとる形で企業の財務状態を判断しようとしている書類が貸借対照表なのです。
具体的には、貸借対照表の左側(借方)には、資産の項目と金額が書き込まれ、右側(貸方)には、負債の項目と金額および資本の額が記入されます。
資産には、現金・預金、土地建物、売掛金(売却した商品等の未収の代金)、機械設備、棚卸資産(在庫)などが含まれます。
右側(貸方)に記入されるのは、負債と資本です。
負債は、社債や借入金や支払手形などがあります。一般に、将来、なんらかの支払義務を負っているものは負債と考えて良いでしょう。企業にとっでては、この負債ができるだけ少ない方が財務の健全性に繋がりやすいことは言うまでもありません。そして、資産の額から負債の額を引いた金額が資本となります。