最新トレンド&トピックス(13)円安なのに、なぜ貿易赤字?
2023/08/18
円安傾向なのに、なぜ貿易赤字?
財務省が発表した7月の貿易統計によると、日本の貿易収支(輸出から輸入を引いた額)は787億円の赤字となりました。このところの円安傾向にかんがみれば、日本の貿易収支は黒字を維持してもおかしくはないと思うのですが、実態は全くそうなってはいません。
では、その原因はどこにあるのでしょうか?
実はその最大の原因は、中国の不況にあると考えられます。対中輸出が一年前に比べて0.3%減少したことが影響したとのことです。0.3%というと大したことはないと思う方もいるでしょうが、中国は日本の最大の輸出相手国で分母の額がとてつもなく大きいので、0.3%と言えども絶対額はかなり大きくなるのです。
ちなみに日本の対中輸出は8ヶ月連続で減少しています。中国の慢性的な内需不足に加えて不動産不況の長期化を前提とすれば、近い将来、対中輸出が大幅に改善する可能性はかなり低いと言わざるをえないのではないでしょうか。
By Tetsuya