ファンダメンタルズ&経済の基礎知識(19)投資と物価の関係

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ファンダメンタルズ&経済の基礎知識(19)金融政策に影響を与える各種物価指標

2023/08/31

物価動向は重要な判断材料
 
一般に、景気が良くなると生産されるモノやサービスに対して需要が多くなるので、物価は上昇気味になります。多少の上昇なら良いのですが、行き過ぎると景気にも悪影響が出てきます。その悪影響を少しでも少なくするために、各国の政府や中央銀行は政策金利を調整しようとします。つまり、物価動向と政策金利動向は表裏一体の関係ということもできるのです。

 

したがって投資を行う上では、各種物価動向は非常に重要な判断材料と言えます。

 

そこで、ここでは主に世界経済における影響力が大きい米国の物価指数を中心にご紹介しておきます。

 

(1)CPI(消費者物価指数)
CPI はConsumer Price Indexの略で、日本語では消費者物価指数と訳されています。インフレやデフレの動向をみる指標として中心的な指標です。当然ながら、この数値が大きくなるほど、物価上昇が進んでいるとみることができます。特に天候や季節的な要因、あるいは紛争などによる物価変動の大きい食品・エネルギーを除いた「コア指数」が注目されます。

 

CPIは、特にインフレに関する重要指標で、大きく上昇すれば、中央銀行による政策金利の引き上げの可能性が高まり、金融政策転換の契機になることもあります。

 

(2)PCE(個人消費支出)
PCEとは特Personal Consumption Expendituresの略で、日本語では個人消費支出と訳されています。米国では、PCEはそのGDPに占める割合が7割程度と極めて高いため、GDPの先行指標として非常に重視されます。

 

また、個人消費支出の動向を見極めるために使われる指標としては「PCEデフレーター」があります。ちなみに デフレーター(deflator)とは、そのまま日本語に直せば「膨張したものを縮小させるもの」というような意味です。経済指標でデフレーターという場合は、物価上昇によって膨らんだ名目値と実質値の差を調整するために用いられる価格指数を指します。

 

現在、米国では、天候や季節的な要因、あるいは紛争などにより変動の激しい食品やエネルギーを除いたコアPCEデフレーターがインフレの動向を見極めるための指標として、CPIとともに重視されており、その値や推移がFRBの政策金利等をはじめとする金融政策に大きな影響を与えます。

 

(3)PPI(生産者物価指数)
PPI は、Producer Price Indexの略で、日本語では生産者物価指数と訳されています。これは米労働省が米国内の製造業者の販売価格を約1万品目について調査して発表する指標です。CPI同様、特にインフレ動向をみる材料とされます。また物価トレンドを把握する上では、天候や季節的な要因、あるいは紛争などの影響を受けやすい食品やエネルギーを除いたコア指数に注目する必要があります。

 

(4)輸入物価指数
輸入物価指数(Import Price Index)は、米労働省が発表しています。CPI、PPIと同じくインフレ動向の先行指標です。またPPIやCPIに先駆けて発表されるため、インフレ動向を早めに探る手がかりとして重視されています。

 

(5)企業物価指数
企業物価指数は、企業間で取り引きされる商品の価格水準を示す指数で、日銀が発表しています。企業物価指数の内訳としては、国内企業物価指数(国内向け国内生産品)、輸出物価指数(輸出品)、輸入物価指数(輸入品)があります。景気変動による需給の変化や、円相場、原油価格動向などが反映されます。企業物価指数も当然、政策金利等の金融政策に影響を与えます。

 

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