ファンダメンタルズ&経済の基礎知識(23)日本経済の先行きを占う重要3指標
2023/09/07
日本経済の先行きを占う重要3指標
今回は、日本の株式、国債、社債、クロス円などを取引している場合にぜひともチェックしておきたい、日本特有の経済指標を紹介しておきます。
(1)日銀短観
日銀短観は、正式には「企業短期経済観測調査」と言います。
これは、日本銀行が国内企業の活動や景気の実態を把握するために四半期ごとに行う統計調査です。調査内容は、業況等の現状・先行きに関する判断や、事業計画に関する実績・予測など、企業活動全般にわたっています。
海外でも、TANKANと呼ばれるほど非常にポピュラーな指標です。
短観は、調査の翌月に公表という速報性と、サンプル数の多さ、さらに回収率が高いことなどから、注目度が高い指標のひとつとなっています。
日銀短観で注目されるのが、企業の景況感を表す業況判断指数です。この数値が改善しているということは、全般的に業況が改善していると考える企業が増えていると考えることが可能です。
(2)機械受注
機械受注は、主要な機械メーカーを対象として、生産設備用機械の受注額を集計した統計指標です。毎月、内閣府の経済社会総合研究所が発表しています。
この指標により、企業による設備投資の動向をみることが可能です。一般に、実際に企業の業績に反映されるのは、設備投資を行なってから数ヵ月(6ヵ月から9ヵ月程度)かかるため、経済動向をみるための先行指標のひとつとされています。
(3)景気ウォッチャー調査
景気ウォッチャー調査は、内閣府が毎月実施している景気調査です。「景気ウォッチャー」と呼ばれる、景気を敏感に感じるような職種に就いている人びと(小売店の店主、タクシードライバー、コンビニの店長、ホテルの従業員など)約2千人が調査対象です。
景気ウォッチャー調査による「街角景気」の現状判断指数の数値が50以上の場合、景気が良くなっていると判断されます。
一般的な経済指標が調査から発表まで1~3カ月程度はかかるところ、景気ウォッチャー調査ではそれが約1週間と非常に短く、現場の声を直接知ることができるというメリットがあります。