ファンダメンタルズ&経済の基礎知識(6)損益計算書の見方
2023/08/10
前回は損益計算書及び各種利益の意味について簡単に紹介しました。今回は損益計算書の見方のポイントについて述べてみたいと思います。
損益計算書を見る際にまず第一にチェックすべきは、当然のことながら、その会社がしっかり利益を上げているかどうかという点です。
前回紹介したように、一口に利益と言っても、売上総利益、営業利益、経常利益、税引前利益、当期純利益の5つがあります。全て重要な判断材料ではありますが、特に本業の利益を示す営業利益と、それに営業外損益を組み入れて算出した経常利益が最も重要な指標と言えます。
たとえ、当期純利益がプラスであっても、経常利益がマイナスであれば、高額な固定資産を売却することで得た利益(特別利益)が大きく反映した結果かもしれないので注意が必要です。
また逆に当期純利益がマイナスなっていたとしても、それが大規模な災害による損失(特別損失)を反映したものであって、通常の事業活動を反映する経常利益がプラスであれば、それほど問題視する必要はないとの見方もできます。
また、その会社の収益力を見るためには、売上総利益を売上高で割った値(売上高総利益率)や営業利益を売上高で割った値(売上高営業利益率)、あるいは経常利益を売上高で割った値(売上高経常利益率)などを細かく見ておくことが望ましいと言えるでしょう。
いすれにしても、損益計算書を見ると、その会社が事業活動を通じて、どの程度の売上を上げ、どの程度の経費を使い、その結果、どの程度の利益が得られたのかが明確に分けるわけです。
したがって、端的に言えば、売上高がなるべく高く、経費をできるだけ少なく抑え、そして最終的に残る利益がなるべく多い会社が投資先として好ましいということになります。
ただし、一時的な評価ではなく、その会社の実績の経年変化や四半期ごとの損益状況の推移などを把握しておくことも大切です。また業界によって、例えば経費の割合などに違いがあることも少なくないので、同業他社との比較をした上で判断する必要があります。