最新トレンド&トピックス(20)交易条件と為替介入の関係とは?
2023/08/30
交易条件と為替介入の関係とは?
最近の円安傾向を受けて、政府日銀が近々、為替介入をするのではないかとの憶測が一部に流れています。
確かに前回のように、いまよりも円安ではない時期に円買い介入を行ったこともあるので、その可能性は否定できません。ただし為替介入の判断は、どの程度円安が進行したかという、いわば絶対値だけで行われるものでもありません。
為替介入は「人為的な市場への介入」なので、自由経済を大切にする視点からは、できるだけ抑制的であるべきです。また、円安のデメリットよりもメリットが明らかに上回っていると思える時期には、そもそも為替介入する意味がないとも言えるでしょう。
為替介入をするかしないかの判断をする上で重要となる判断基準として、「交易条件」があります。
交易条件とは、具体的に言えば、輸出物価指数を輸入物価指数で割った値のことです。この値が大きくなればなるほど、海外から安く仕入れ、あるいは海外に高く売れていることを意味するので、交易条件は改善されているとみなされます。
政府日銀は、円安がある程度進行しても、この交易条件がそれほど悪化していないならば、為替介入をする必要はないと判断する可能性があります。ちなみに現在の日本の交易条件はそれほど悪化していないようですが、今後はどうなるか分かりません。
政府日銀がこのあたりをどのように判断するのかについては、今後、しっかりと注視しておく必要がありそうですね。
by Tetsuya