ファンダメンタルズ＆経済の基礎知識（31）米国発の重要指標（3）

（６）企業在庫

米国の企業在庫は、需要の拡大か縮小を判断する上で重要な指標です。一般に在庫が減っていけば需要が旺盛なので、景気上昇、逆に増えれば需要は低迷し、景気にとってはマイナスの見方がなされます。

 

ただし、今後、景気が拡大すると見込んで在庫を積み増しすることもありますから、企業在庫が増大したからといって、直ちに景気低迷に結びつけるのは短絡的というべきでしょう。

 

（７）地区連銀経済報告（ベージュブック）

これは、米国の12の地区連銀が管轄する地域の経済状況を報告する文章のことで、年8回、FOMC（連邦公開市場委員会）が開催される2週間前の水曜日に公表されます。この報告書の表紙がベージュ色であることからベージュブックとも呼ばれています。

 

ベージュブックは、各地区連銀が実施した調査や面談に基づいて作成され、全米の経済情勢についての総合判断の他、消費支出、製造、金融サービス、不動産、雇用などの各項目の状況について説明されています。

 

ベージュブックは、当然、金融政策を決定するFOMCの判断材料として用いられます。FOMCは、ベージュブックの内容も勘案しながら、金利の引き上げや引き下げなどの金融政策を決定しています。