最新トレンド&トピックス(34)日銀金融政策決定会合の行方
2023/09/22
日銀金融政策決定会合の行方
日銀は、9月21日から2日間の日程で金融政策決定会合を開いています。
現在、米国の金融引き締めが長期化するのではないかとの思惑から、外国為替市場でじわじわと円安が進んでいます。そんな中、今回の会議では、日銀が今後の政策の方向性についてどのようなメッセージを発するのかに注目が集まっています。
日銀が前回7月の会合で金融政策の運用を柔軟化したことを受け、これまで長期金利のゆるやかな上昇傾向が続いています。
その一方で、外国為替市場では、その後も円安傾向が続き、9月21日の東京市場では、一時、1ドル=148円台半ばまで円安が進みました。
日銀はこうした円安傾向に歯止めをかけるために、今回の会合を通じて、「ゼロ金利政策の解除」を示唆するメッセージを出す可能性もあります。そうなると、円安傾向に歯止めがかかり、ドル円が一時、円高方向に動くかもしれません。
しかしそうしたタカ派なメッセージがさらなる長期金利の上昇に繋がると、借り入れの多い中小企業の経営や住宅ローンの返済に苦しむ個人の消費に悪影響が及び、景気の足を引っ張るのではないかとの懸念が高まります。
日銀は、今後とも2%の物価安定目標の実現を目指していますが、今回の金融政策決定会合においては、円安の行き過ぎの抑制を念頭に置きつつ、経営や消費への影響に加え、原油高や中国経済の失速など景気へのマイナス要因をも勘案しながら、慎重な議論を行うものと考えられます。