ファンダメンタルズ＆経済の基礎知識（30〕米国発の重要指標（2）

前回は世界経済に大きな影響を与える米国発の重要指標である（1）小売売上高と（2）消費者信頼感指数について述べました。

 

今回はそれらに勝るとも劣らない米国発の重要指標を3つ取り上げ簡単に解説しておきます。

 

（３）ISM製造業･非製造業景況指数

ISM指数は、米国の景気動向を知るための指標です。供給管理協会（ISM、Institute for Supply Management）が第1営業日（非製造業は、第3営業日）に発表します。

一般に、50を上回ると景気拡大、50を割り込むと景気後退を示唆するとされています。FRB（連邦準備理事会）が、金利政策を検討する際にこのISM指数を基準にすることも多いです。そのため、FRBの金利政策のスタンスを見極めるのに有意な指標とされています。

 

（４）製造業新規受注

製造業新規受注は、米国の製造業の業況を示す指標の一つです。米国では、個人消費が景気動向に与える比重が大きく、個人消費の増減が製造業の好不調に大きく影響する傾向にあります。景気の拡大時には個人消費が増加し、製造業の生産増加へとつながるという図式があります。したがって、基本的には製造業新規受注が増加すれば、景気が拡大傾向にあるとみてよいでしょう。

製造業新規受注では、耐久財、資本財、非国防財などのうち、数字の振れの大きい航空機が除かれている非国防資本財が、設備投資の先行指数として注目されています。

　
（５）耐久財受注

耐久財受注は、製造業の出荷・在庫・新規受注・受注残高を示す指標で、米商務省が毎月発表します。

製造業の動向を把握するための重要指標です。設備投資の先行指標とされ、米国においては、個人消費や住宅関係の指標と同様に注目度が高いです。
また特に変動率の大きい航空機を除いた非国防資本財受注が重視されます。