最新トレンド＆トピックス（36）原油高が円安に繋がりやすい理由とは？

最近、原油高が円安に繋がりやすいとの見方が出ています。その理由としては、2つあげることができます。

 

１．原油輸入コストの増加による貿易収支の悪化

日本は原油の輸入に大きく依存しており、原油価格が上昇すると、原油輸入コストも上昇します。これにより、日本は貿易収支が悪化し、ドル需要が増加し、円安に繋がります。

 

２．日米金利差の拡大

原油価格の上昇は、米国のインフレ率の上昇を促す効果があります。これにより、米連邦準備制度理事会（FRB）は、金融引き締めを加速させる可能性が高まります。一方、日本銀行は、金融緩和政策を継続する方針です。このため、日米金利差が拡大し、円安に繋がりやすくなります。

 

なお、原油高と円安の連動性は、必ずしも高いわけではありません。

 

原油価格の上昇が、米国のインフレ率の上昇にあまりつながらない場合は、日米金利差が拡大せず、円安に繋がらない可能性があります。また、日銀が金融緩和策を維持するのを止めたり、日本政府が原発再稼働を加速するなどして原油輸入を削減する方策を講じたりすると、円安はそれほど進まないことも十分考えられます。

 

いずれにしても、原油価格の変動それ自体が日本経済や日本株に大きな影響を与えることは言うまでもありませんが、その動向が円相場に影響して、二次的に日本株ひいては日経平均株価等に影響を与える面がある点にも注意する必要があります。